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相談事例集
 

相談事例72: 学習教材の販売(逆転の発想)


 半年前、訪問販売で中学生の息子の学力テストを勧められた。「テスト結果を報告に来る」と言われ、夕方の訪問に同意したところ、夜11時過ぎまで高い教材を購入するよう勧誘された。いくら断っても帰ってくれず、子供まで「やってみたい」と言い始め、最後は朦朧として説明も頭に入らなくなり、仕方なく契約した(115万円)。電話やFAXでの指導付きと説明されていたが、FAXは3ヶ月だけ無料と分かった。指導期間を過ぎると息子は勉強方法が分からなくなり教材を使っていない。解約したい。

(40歳代 女性)


 学習教材とFAX指導の抱き合わせ販売であったことから、特定商取引法(以下「法」という)で規制する「特定継続的役務提供の中の『いわゆる家庭教師派遣』」に該当すると判断し、法所定の書面を交付していないことを理由とするクーリング・オフと、消費者契約法の「不退去」による取消しを書面で主張するよう助言しました。事業者は反論しましたが、最終的に相談者が既払金を放棄することで和解が成立しました。


 法で規制する「特定継続的役務提供」というのは、要するに「政令で指定するサービスを、一定期間を超えて、一定額を超える対価を支払って提供してもらうもの」のことなのですが(現在、6種類指定されています)、その特徴は、「成否未定の夢を買う契約」ということに尽きます。その夢を叶えるのに必要だとして、消費者は商品を購入させられることになるのですが、この商品を法では「関連商品」と呼んでいます。例えば、エステ契約における化粧品や美顔器、学習塾や家庭教師派遣契約における学習教材、外国語教室における衛星放送受信端末機、パソコン教室におけるパソコン、結婚紹介業における貴金属装身具等があります。
 ところで、時折、この「関連商品」に相当する商品がメインの商品として販売され、附帯条件として、政令指定サービスを、一定期間、無料で提供するというスタイルのものがあります(抱き合わせ販売)。この相談もそのケースなのですが、このような場合、問題解決の糸口はどこにあるのでしょうか。
 国の指導によれば、この相談のようなケースについては、次に掲げる条件を満たしていれば、「いわゆる家庭教師派遣」契約に当たるとしています。

1.  「いわゆる家庭教師」とは「家庭で継続的に提供される学力の教授で、学校の入学試験に備えるため又は学校教育の補習のために提供されるもの」をいい、役務(サービス)提供の形態は問わない。ファックスによる学習指導やテレフォン学習相談も、前記「学力の教授」に当たれば、いわゆる自宅での通信教育についても該当する。


2.  その契約において、消費者が支払わねばならない額が総額で5万円を超えていること。なお、サービス自体は無料という説明であっても、対価性があれば該当する。
 仮に、「ファックスによる学習指導やテレフォン学習相談が無料」という説明がなされていても、「無料」と「無償」は異なるものであり、本来、「学力の教授」は社会的に経済的価値を有するサービスとして認識されており(無償ではない)、サービスを受ける側がその価値を認識して(すなわち有償であると認識して)いる場合には、有償のサービスが提供されていることになる。もっとも、ファックスによる学習指導やテレフォン学習相談が販売の条件になっておらず、消費者もそのように認識しているときは該当しない。


3.  「学力の教授」期間が2ヶ月を超えていること(期限がない場合や無期限の場合は常に該当)。
 この相談の場合、前記3要件を満たしていますから、「特定継続的役務提供」に当たり、事業者は、「概要書面」と「契約書面」という二種類の法定書面を消費者に交付しなければならないことになるのですが、相談者には当然、交付されていませんでした。

 法は、契約が成立したとき、法定書面の交付を事業者に義務付けていますが(通信販売を除く)、トラブルの発生しやすい取引(契約期間が長期にわたるもの、契約金額が多額なもの、営利性が伴うもの)ほど厳しい内容の規制を課しています。
 したがって、事業者としてはできるだけ規制の緩やかな法定書面で済ませることができるよう、営業形態に創意を凝らすことになります。
 以上のことから、契約を勧誘する際の事業者のセールストークの内容は、トラブル解決のときに非常に重要な役割を果たしますから、不本意な契約を締結したと思ったときは、説明された内容を記録に残すようにしておいてください。

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