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相談事例集
 

相談事例62: 「電話機のリース契約」に潜むもの


 個人で表具店を営んでいる。2年前、電話会社を名乗る業者が訪ねてきて「今使用中の電話機が使えなくなります」と説明され、電話機のリース契約をした(70万円)。契約した3台のうち1台は自宅に設置しており、リース契約をする前は3台すべて個人名義で契約をしていた。今もリース代や電話代は個人で払っている。クレジットとリースの違いは分からなかったし説明もなかったが、電話会社の指示と信じていたので従わねばいけないものだと思っていた。

(60歳代 男性)


 主務省の通達、「実態が営業用ではなく、クーリング・オフ書面の交付がされていなければ、遡ってクーリング・オフの主張が可能である」、「営業用かどうかの判断については、その使用頻度の過半はどちらかで判断する」を拠り所に、営業用かどうかを調べたところ、その過半は私用であること、費用の支払もリース代金としての経理処理をしていないこと、などから特定商取引法の適用があると判断し、相談者には、クーリング・オフ書面が交付されていないことを理由に契約の解除を書面で主張するよう助言しました。
 事業者は当初、相談者の主張を無視していましたが、その後、信販会社の加盟店指導に従い、電話機は現状維持、既払金放棄(13万円)という条件で契約の解消に同意しました。


 この相談では、「電話機のリース契約」そのものにも問題がありますが、この稿では、自営業者による「電話機のリース契約」がなぜ特定商取引法で救済することに問題があるのか、ということに絞って話を進めることとします。
 特定商取引法というのは、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引など6種類の取引)を公正にし、及び「購入者等」の損害の防止を図ることにより「購入者等」の利益を保護し、あわせて商品等の流通を適正かつ円滑にすることにより、国民経済の健全な発展に寄与することを目的として立法されています(1条。ただし、要約しています。)。
 いきなり、堅苦しい話になりましたが、この相談はこの1条の「購入者等」の理解にかかっていますので、あえて記載しました。
 もうお気づきの方もおられるかと思いますが、特定商取引法(以下「法」と略称します)では「損害の防止」と「利益の保護」の対象を「購入者等」と規定しており、消費者契約法のように「消費者(個人《事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く》)」に限っているわけではありません。
 しかし、その一方で、「訪問販売に係る取引」の場合についていえば、「営業のために若しくは営業として」契約を締結している「購入者等」は法の適用対象とならず、その結果、救済対象から外れることになります(26条1項1号)。つまり、事業者間の契約であっても、営業にも商行為にも該当しないもので、非営利の事業を行う団体・個人が購入者となる場合には、法の適用があることになります。
 そうしますと、この相談者のように「表具店」を個人で経営している自営業者の場合、「電話機のリース契約」に法の適用があるのだろうか、という疑問が生じます。
 自営業者が締結した「電話機のリース契約」の場合、次の三要件、すなわち、(1)その契約した場所が事業者の「営業所等以外の場所であること」、(2)電話機のリースが「法で指定されていること」、(3)自営業者が「営業のために若しくは営業として契約を締結したものでないこと」をクリアできれば、その契約は法が適用される「訪問販売に係る取引」に当たる、ということがいえます(2条1項1号)。
 そして、自営業者が締結する「電話機のリース契約」の場合、(1)、(2)については問題なくクリアできるのですが、一番悩まされるのが(3)なのです。その原因は、個人自営業者の場合、「営業のために若しくは営業として」契約を締結するよう勧誘されるからです。
 しかも、事業者は「営業のために若しくは営業として」契約を締結した場合には法の適用がないことを承知していますから、「営業用」であることを強調した契約書を作成することになります。
 この相談の場合、主務省の通達による指導に基づいてそれなりの解決をすることができました。しかし、消費者トラブルは、今後ますます、このような法の網の目をすり抜けたり、法そのものを潜脱するケースが増えることが想定されます。「何かおかしい」と感じたらすぐもよりの役場、消費生活センターに相談するようにしてください。

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