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相談事例集
 

相談事例48: 財産管理


 78才の母は、平成14年頃から認知障害や脳梗塞の後遺症で判断力に問題が出始め、「物がなくなった」と騒ぎ、誰も来ていないのに「おばさんが来ている」と言ったり、訪問販売で不要不急の商品を購入したりするがそのことを覚えていないなどの言動が目立つようになったため、日常生活も見守る必要が生じた。平成16年3月、家庭裁判所に成年後見制度の保佐開始の申立てを行い、同年11月末に、私が保佐人に選任された。ところが、同年7月に母は、訪問販売で高額な床下換気扇と調湿剤の契約をしていたことが分かった(133万円)。クレジットの1回払いで全額支払済みとなっているが解約、返金を求められないか。

(50歳代 男性)


 医師の診断書を添えて成年後見の保佐開始申し立て中であると相談者が契約の解消と返金を求めるようアドバイスしたところ、事業者は要求に応じました。


◆アドバイス
 今年5月に全国紙で報じられた認知症姉妹宅のリフォーム工事事件以来、全国的に高齢者の財産管理が問題にされ始めました。
 消費生活センターの相談業務では古くて新しい問題ですが、当センターでも昨年頃からこのような相談が目立つようになりました。また、次のような特徴を備えた相談は、大体認知症が絡んでいると推定できます。

1. 相談が家族や親族からなされ、契約当事者は高齢の両親や親族、契約のタイプはほぼ「訪問販売」で、一つの相談で数件以上の契約が絡んでいること。

2. 契約内容は、家屋のリフォーム、シロアリ予防・駆除、床下調湿剤、耐震補強金具、羽毛布団、呉服、健康食品など種類を選ばないが高価なものが多く、総額で200万円から1,000万円にもなる。

3. 事業者の顔ぶれは多岐にわたるが、どの相談でも一定の顔ぶれが共通して複数回登場してくるというケースが多い。ただ、契約期間が3年から5年と長期にわたることが多いため、時にはこの間に社名が変わっていて気付きにくい場合もある。

 この3要件がそろうと、センターでは契約当事者の認知症を疑います。
 このような場合、ご家族の方が早めに気づいて精神科医(ホームドクターでも構いません)の通院歴があったり、治療中の場合は容易に診断書が得られて、事業者との交渉も大変やりやすくなります。契約当事者を、客観的判断材料である診断書に基づいて、制限能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人のこと)に準じた存在として位置づけ、契約の無効・取消しを定めた法令を準用して意見を主張できるため、事業者にも交渉の舞台に上がってもらい易いからです。
 制限能力者という言葉はあまり聞き慣れない言葉ですが、未成年者の契約取消しと違って、この場合は家庭裁判所の判断を経る必要があります。重い順から「成年被後見人」、「被保佐人」、「被補助人」となります。
 今回問題になっている「被保佐人」ですが、最高裁事務総局家庭局で作成された「新しい成年後見制度における診断書作成の手引」によれば、「保佐の対象は『精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分な者』です。これは、判断能力が著しく不十分で、自己の財産を管理・処分するには、常に援助が必要な程度の者、すなわち、日常的に必要な買い物程度は単独でできますが、不動産、自動車の売買や自宅の増改築、金銭の貸し借り等、重要な財産行為は自分ではできないという程度の判断能力の者のことです。ただし、自己の財産を管理・処分できない程度に判断能力が欠けている者は、保佐ではなく、後見の対象となります。」と説明されています。
 因みに、同手引では、被補助人については「判断能力が不十分で、自己の財産を管理、処分するには援助が必要な場合があるという程度の者」と説明されています。
 高齢者の場合、クレジットによる分割払契約を好まない場合やクレジットの長期間の分割払いはクレジット会社も応じない場合が多く、現金で数百万円をその場で支払ってしまってその後の記憶をすぐ喪失してしまうことがあることから、このようなことを数回繰り返しているとたちまち生活困窮に陥ってしまうという例が少なくありません。「老いじたくは『財産管理』から」(弁護士・中山二基子著・文芸春秋)といわれています。
 国民皆年金時代、クレジット契約も、年齢要件(信販会社によって少し差があるようですが、大体70歳〜80歳くらいまで)とブラックリストをクリアすれば与信される可能性大ですから、そのときになって慌てないよう、普段からの心がけと準備が大切です。認知症の方を責めるのは酷です。家族で守るという方向で、日頃から意思の疎通を図ると共に民生委員や社協、ヘルパーなど地域社会での見守りが大切です。不審な契約に気づいたら最寄りの役場窓口などにご相談下さい。

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