ながさき消費生活館
AND OR
文字の大きさ   標準大特大

現在地:トップページ > 消費者生活相談 > 相談事例集
相談事例集
 

相談事例43: 業務提供誘引販売取引


 7ヶ月前、自宅に電話があり、チラシ配り内職の契約を勧められた。チラシを配るだけで毎月5万円程度の収入があるとのことだった。契約する気はなかったが尋ねられるまま住所と名前を伝えたら契約書が送られてきた。そのまま放置していたところ、子供から聞き出したらしく買い物先に電話があり、「契約しないときは裁判する」と言われ、仕方なく契約した(724,600円)。指示されているとおりチラシを配ったが説明どおりの収入がない。解約したい。

(40歳代 女性)


 特定商取引法で、事業者が消費者に交付することを義務付けている法定書面の内容に一部欠落があること、また、消費者契約法の「不実の告知」に該当する事実があることを根拠に契約の解除(取消し)をするようアドバイスしました。協議を重ねた結果、事業者も問題点を認め、無条件解約となりました。


 この商法は俗に「内職商法」と呼ばれていますが、「業務提供利益」と「特定負担」の二つにポイントがあります。「業務提供利益」とは、「提供される仕事等から得られる収入のこと」であり、「特定負担」とは、「提供される仕事を始めるに当たって買う必要のある商品の代金、資格の取得費用、権利金、入会金など」をいいます。
 「チラシ配り内職」でいえば、契約者が配布したチラシ(チラシには契約者の登録番号が記載されています)を見て商品を購入した人が支払った代金に応じた一定比率の収入が業務提供利益であり、チラシそのものの購入代金、チラシを配る権利の取得に要する代金などが特定負担となります。
 この商法の問題点は、消費者の関心は業務提供利益にあり、事業者の関心は特定負担(事業者にとっての売り上げ)にあることから、この関心のずれがトラブルに発展しやすいということです。特に、チラシ配り内職の場合は微妙な要素をはらんでいます。セールストークで強調される不特定の購買層の存在などしょせん雲をつかむような話ですし、配布したチラシを見てどのくらいの人が商品を購入してくれたかということが契約者にはまったく把握できない構造になっていますから、実態は事業者のいうがままであり、契約者からすれば「おかしい」ということになるわけです。
 一方、パソコンによる書類作成内職などのように、業者が設定した資格を取得すれば奨励金として50万円を贈与する、さらに作成した書類を一枚いくら(例えば3,000円)で買い上げるといった契約の場合、契約者は当然自分の努力次第でそれなりの利益を得ることができるとの期待感を抱きますから、その収入を少しでも早く得ようと懸命に努力します。
 しかし、事業者サイドからすれば、契約者が特定負担をした(事業者としては売り上げを上げた)以上、後は種々の口実を設けて合法的に業務提供機会の逓減を図っていこうとするのが現実です。その方法としては、技能検定試験を厳しくして資格取得を困難にする、あるいは一定期間内に資格を取ることを義務付けるというのが一番オーソドックスです。仮に技能検定試験をパスしても、完成した書類のできあがり具合を厳しくチェックして買い上げを渋ることもあります。他には、不況による書類作成の需要減少が理由とされるケース、単純な数字入力作業ということで契約し、その後複雑な作業へと契約内容を変更するケースもあります。巧妙なものとして、報酬の支払義務はある、しかし報酬をカウントするコンピュータが操作不能に陥り払いたくても払えない、として延々と何ヶ月も謝罪文をメールで送り続け、契約者の意思を挫くという手法もあります。
 クーリング・オフ期間は20日と長いのですが、この商法ではあまり意味をなしません。
 チラシ配り内職の場合、最初の売り上げ成績が契約者に知らされるのは大体30日後くらいですし、パソコン内職の場合、書類作成段階にたどり着くのに20日やそこいらの期間ではとうてい不可能だからです。
 しかし、なんといっても消費者が一番困るのは、この種の事業はすぐ営業困難あるいは倒産状態に陥り、経営者と連絡が取れなくなることが多いということです。こうなれば、クレジット契約の場合は「支払い停止の抗弁」という対抗手段もありますが、現金一括払いした消費者については、救済の方法がないというのが現実です。
 この取引は遠隔地間で電話を利用して勧誘されることが多いため、顔の見えない契約となることが多いのですが、「毎月5万円くらいにはなる。だからクレジットも無理なく払っていける」というような説明は、「不実の告知」として契約取消しの要件となりますし、刑事罰の対象になりますので留意しておいてください。
 以上、「業務提供誘引販売取引」の問題点について述べてきましたが、この取引は特定商取引法で規定されている各種特定商取引のなかでは「連鎖販売取引(俗称・マルチ商法)」に匹敵するほどの厳しい規制が課されています。それだけ問題の多い取引ということになります。慎重に行動してください。

消費者生活相談
相談事例集
消費生活相談FAQ
電子メール相談
相談統計
多重債務者対策
気をつけて!架空請求



サイトマップ
関連リンク集


このページのトップへ

 トップ   センターのご案内   消費生活相談   消費者教育・啓発   消費者を守る制度   相談事例集   メール相談 

長崎県消費生活センター
〒850-0057 長崎市大黒町3-1 交通産業ビル4F
TEL :095-823-2781、095-824-0999(相談専用)
FAX :095-823-1477

Copyright 1996-2011 Nagasaki Prefecture.All Rights Reserved.