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相談事例集
 

相談事例30: マルチ商法


 友人にしつこく誘われマルチの会員になった。「借金があるから商品は買えない」といったんは断ったが、「2年後から何もしなくても儲かるようになる」と言われ、また、この友人にも借金があり断れなかった。別の友人に買った商品を見てもらったら、これはインターネットを利用するために必要な器具ではなく、高すぎると言われた(42万円)。解約したい。


 センターで書面を確認したところ、法定書面(特に契約書面)の記載が明確でなく、支払い期間や商品引き渡し時期の欄も記載されておらず、また、消費者契約法の「断定的判断の提供」に当たると判断されるところから、契約の解除・取消しを書面で申し出るよう助言しました。事業者は解除・取消要件を満たしていないと反論しましたがセンターの斡旋により、解約に応じました。


 マルチ商法というのは、特定商取引法では「連鎖販売取引」ということで規制されています。理屈はともかく、マルチ商法の名称の方がより有名ですので、ここでは厳密な区分をせずに、その概要をご説明します。
 「連鎖販売取引」には、「再販売型」、「受託販売型」、「販売あっせん型」、「同種役務の提供型」、「同種役務の提供のあっせん型」の5タイプがあります。紙面の都合で最も代表的な「再販売型」で話を進めます。
 「再販売型」とは、この相談のように、すでにマルチの会員であるAが、入会させたいBに対して、「あなたが勧誘して組織に加入するC(今の時点ではどこの誰かは不明)が購入する商品の代金の○○パーセントがあなたのものになる。だから入らない?」と勧誘し、「同意したBがAから商品を購入し、その代価をAに支払う」タイプの取引です。
 ここで、BがAに支払った代価を「特定負担」といいます。また、将来、CがBに支払う「購入した商品の代金の○○パーセント」のことを「特定利益」といいます。
 つまり、マルチ商法というのは、このBにみるように、Aに対しては損失が先行し(特定負担)、その損失以上のものをまだ存在しない後続の新規会員Cから回収する(特定利益)という構造になっているのです。
 しかも、商品の再販売利益よりもCが支払う「特定利益」の方が金額的に大きいため、Bは「特定負担」の回収と、新たな利益となる「特定利益」の収受とを目指して、新規会員Cの獲得に狂奔することになり、CはCで後続会員Dの獲得にしのぎを削ることになります。
 このようにして、マルチ商法というのは、「特定負担」と「特定利益」を巡り、昨日の被害者が今日は加害者となりあざなう縄のように、連鎖状に連なっていくことになります。
 理論的には、1日2人ずつ参加させていくと28日目には日本の全人口を上回る人を新たに参加させなければならなくなります。
 3人ずつだとそれが18日になります。マルチ商法が破綻するのは必然なのです。
 成功するのは上層部のほんの一握りの人だけであり、他の大多数の人は親、兄弟、姉妹と疎遠になり、友人、知人、恋人を失いかねません。悲惨な人生に追い込まれるおそれがあります。「月収100万も夢じゃない」と言う人が身近にいたら要注意です。

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