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相談事例集
 

相談事例89: 海外宝くじ


 自宅のパソコンから海外宝くじサイトを検索し申し込んだ。クレジットカード払いにして番号も入力した(5千円)。後からネットで調べたら詐欺会社とのことだった。止めたい。

(20歳代 男性)


 クレジットカード会社に「止めたいので支払い停止をする」旨申し出るように助言しました。その後、相談者から、「カード会社が解約の申し入れを承諾し、今後、請求を止めるとの確約を得た」との報告がありました。


 最近、海外宝くじ関連の相談が増えています。国内で発行されている宝くじについては、「ジャンボ宝くじ」を狙った一攫千金の話など常にマスコミが話題を提供していますから、海外宝くじについても私たちはその延長線上にあるものとしてさほど違和感なく受け入れているようなところがあります。
 しかしながら、宝くじは「富くじ」の1つであり、法律の根拠のないものは刑事罰の対象となります(刑法187条、富くじを「発売した者」(2年以下の懲役又は150万円以下の罰金)、富くじ発売の「取り次ぎをした者」(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)、富くじを「授受した者」(20万円以下の罰金又は科料))。
 富くじというのは、宝くじを想定すれば分かりやすいのですが、「発売者が番号札を発売し、抽選その他の方法で購買者間に不平等な金額を分配するもの」をいいます。現在、次のような富くじが、特別法に基づいて発売されています。当せん金付証票法(俗称:宝くじ)、競馬法(俗称:馬券)、自転車競技法(俗称:車券)、小型自動車競技法(俗称:車券)、モーターボート競争法(俗称:舟券)、スポーツ振興投票法(愛称:toto)
 刑法では、富くじに関与する行為(富くじ行為)は、広い意味で賭博行為と同類と考えられています。
 たしかに、賭博行為や富くじ行為は、本来、参加者が自分の財産を任意に使用するだけのことですから、「勝とうと負けようと自分の財産を自分の好きなように使って何が悪い」という考えがあって当然です。しかしながら、これらを野放し状態にすると、「国民の射幸心を助長し、怠惰浪費の悪い風習を生じさせ、健康で文化的な社会の基礎をなす勤労の美風を損なうばかりか、その他諸犯罪を誘発し、ひいては、国民経済の機能に重大な支障をきたさせるおそれがある」とされ(判例)、結局、賭博及び富くじに関する罪は、勤労によって財産を取得するという健全な経済的風俗を保護することを目的として規定されていることになります。なお、射幸心というのは、「偶然の利益を労せずに得ようとする欲心」のことで、賭博性の有無を判断するときの重要な要件です。
 富くじと賭博の共通点は偶然の事情によってお金の得失が決まることであり、相違点は、賭博では勝敗決定までは掛け金の所有権は移転せず、かつ、関与者全員が危険を負担するのに対し、富くじでは、富くじ発売者は賭金の所有権を直ちに取得し、かつ、偶然による勝敗の危険を負担しないことです。 以上が国内における富くじのあらましですが、これを海外宝くじにあてはめるとどのようになるでしょうか。
 まず、国内で海外宝くじの現物を入手すると、富くじ授受罪に問われる可能性があります(刑法187条3項)。また、現物が渡されない場合、業者が当せん金を支払う保証はなく非常に不安定な取引となります。業者の顔は見えず、その所在も不明だからです。場合によっては、業者は海外宝くじを購入せず、ただ、購入者から購入代金あるいは手続費用の名目で少額のお金(1万円〜2万円)を長期間にわたってくすね続けているということも考えられます(詐欺)。
 「海外宝くじは絶対に買わない」という心構えが大切です。特に、最近は業者が高齢者を狙ってダイレクトメールを送りつける傾向が顕著です。身内の方は、「日本の法律に基づかない宝くじを購入するのは博打と同じく犯罪になる」とはっきり説明する必要があります。

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