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相談事例集
 

相談事例27: 国内商品先物取引


 1年半前電話があり、アルミの値段が上がりやすい状況だと勧められ、説明を受けてアルミに関する商品先物取引の委託契約を締結した。その後、リスク回避のために必要とのことで、金、銀、ゴム、灯油、コーヒー、原油など、事業者が勧めるまま13種類の取引に応じて、合わせて1,100万円を払った。何度かやめたいと申し出たが、止めると不足金が発生すると引き留められ、手仕舞いに応じてくれない。

(30歳代 男性)


 事業者へ手仕舞いの申し出を行い、書類の提出を求め、三者による協議をしました。相談者が損害金の5割返金という和解条件を提示したところ、事業者は2 割という回答を提示しました。相談者はこれを不服とし、国に対して行政処分を求めるとともに、日本商品先物取引協会へ紛争処理の仲介を依頼しました。その時点で、事業者から新たに損害金の4割という案が提示されましたが、相談者は5割の水準でなければ訴訟も辞さないと強く主張したところ、事業者はほぼ5割というところまで譲歩した案を示しましたので、相談者も同意し決着しました。


 勧誘は、外務員による電話勧誘から始まるケースが圧倒的です。その際使用されるのが卒業者名簿や同窓会名簿といった何らかの名簿類です。後輩でもないのに後輩を名乗って近づいて来ることもまれではありません。
 消費者が少しでも話に関心を示すと、ベテランの外務員が直接訪ねてきて勧誘します。
 勧誘の場合、短期間で確実に儲かることを強調し、先物取引の仕組みや危険性を十分に理解させようとせず、説明書は単に交付するだけで内容の説明はしないまま勧誘する場合が多いようです。
 しかし、商品先物取引は、財産のすべてを失いかねないほどの危険な取引ですから、本来、電話勧誘や訪問セールスになじむ取引ではないのです。
 商品先物取引における違法行為としては、 1)勧誘段階では、不適格者の勧誘、先物取引の仕組み・危険性等の重要事項の説明義務違反、事前書面の不交付、絶対儲かる等の断定的判断の提供、 2)取引継続段階では、過度の売買取引、無断売買、一任売買、無意味な反復売買、両建の勧誘、無敷・薄敷、不要な証拠金の返還遅延、利益の証拠金への頻繁な振替、向玉、利乗満玉、 3)取引終了段階では仕切り拒否、精算金の支払遅延等があります(紙幅の都合で、ここでは用語の詳細説明は省略します。)
 商品先物取引は、取引実際額の5〜20%に相当する委託証拠金を担保にして行う極めて投機性の強い取引です。例えば金の場合、価格はグラム単位ですが、取引単位はキログラム単位です。したがって、価格が10円動くと、取引では、それだけで1万円の値動きになることになります。
 商品先物取引は、株や預貯金感覚で始められるものではありません。「俺は一勝負したいんだ」という方に「やめろ」とはいいませんが、その場合は、少なくとも経済専門誌の記事の行間を通して世界情勢が読める程度の知識と情報量、一通りの経済分野に関する法的知識、豊かな資金が必要です。この業界の内情について、あらかじめOBに聞いておくことも必要です。
 また、短期間のうちに、借金苦、退職金・住宅の喪失、家庭不和・家庭崩壊に追い込まれる危険性があることも予定しておく必要があります。
 損害が膨らんだ場合、どこかの時点で損害回復することを諦めねばならなくなりますが(「損切り」といいます。)、決断できないことから不眠、食欲不振、ノイローゼ、自殺への誘惑などの確率が格段に高まりますので、そのことも知っておく必要があります。
 後段に記載したことは、すべて、被害に遭った人たちの痛恨の言葉から拾いあげたものばかりです。

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