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相談事例集
 

相談事例91: 絵画集の自費出版


 数ヶ月前、電話で絵画集の自費出版をしないかと誘われた。一度は断ったものの繰り返し勧誘の電話がかかり「来年の美術展に出品する絵を入れるためには今すぐ準備する必要がある。絵画集を出版すれば有名ギャラリーを無料で借りられ個展ができる。」などと勧められ、根負けしたのと同時に一生の記念になればと契約を承諾した。担当者からは「今回は特別に通常の契約ロットの半分程度の数百部で可能、経費も格安に抑える、部数が多ければ当社が預かり書店に置く」などと説明を受けたことも契約に踏み切った大きな要因だった。しかし契約後、販社には販売ルートはなく無料で引き取ると話が変わっていた。冷静に考えると高額な契約であり、自分にとって本当に必要なものか思い悩むようになり、1ヶ月後解約を告げたところ100パーセントの解約料を請求された。


 この相談事例は電話勧誘販売に該当し、相談者からの聞き取りと関係書面を確認したところ、販売契約書面に役務内容の不備や、クーリング・オフの原状回復や回避行為などの記載がないことがわかりました。また、解約料が10%から100%かかるとの特約条項があり消費者契約法の不当条項にあたると判断、さらには再勧誘についても問題があること等を踏まえて、書面不備による契約の解除、特定商取引法、消費者契約法で規定する不実告知による契約取消を主張する書面の作成をセンター相談員が援助し、相談者が通知文を販社あて送付しました。販社はこうした相談者からの申し出について一切認めず契約成立を主張しました。そこで定例弁護士相談を通じて、契約解除を通知したのであれば積極的な話し合いや任意の支払はしないで、様子を見てはどうかとの助言があり、しばらく様子をみていたところ、その後販社から勧誘や請求はなくなりました。


 絵画や俳句、短歌などの趣味を持つ人にとって自分の作品を褒められ、発表する機会を得られることは嬉しいもので、このような勧誘があれば容易に乗り気になるのは理解できます。そうした心理につけこんで高額な契約に結びつけるという手口もあります。

 国民生活センターによりますと、こうした被害に遭われた方の平均年齢は78.4歳で80歳代が51%を占めており、60歳未満は2%とわずかで、高齢者に限定されていることが特徴的です。また性別についてみると女性が8割を超えているということです。

 こうした被害に遭わないためには、事業者の勧誘時の説明を鵜呑みにせず、掲載の条件などを書面で冷静に確認することが必要です。また、曖昧な返事はトラブルのもととなりますので必要のない場合や、相手の説明に不審な点があるときは「契約しない」ときっぱり断ることです。電話勧誘販売の場合、消費者が断っているにもかかわらず事業者が勧誘を続けることは禁じられています。もし勝手に掲載されたり、承諾していないのに請求書が届いた場合には、契約は成立していませんので支払に応じる必要はありません。

 電話勧誘販売では、契約書を受け取った日から8日間は、クーリング・オフによる契約の解除ができます。トラブルに巻き込まれたら、最寄りの消費生活センター若しくは市町相談窓口にすぐ相談してください。

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