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相談事例集
 

相談事例83: 「債権の不当請求」対策(その2)


 携帯電話に来たメールを開けたところ、「仮登録になった」とのことで6万円を請求された。払わないと3日後には本登録になるとあった。払わないといけないか。

(20歳代 男性)


「債権の不当請求に該当し、支払う義務はない」と助言しました。


 「債権の不当請求」対策については、先に3月号で掲載していますが、今回はその補足をしておきます。
 今回の相談のタイプが、携帯電話やパソコンを悪用した「債権の不当請求」の一番素朴な原型だろうと思われます。あとは、「未成年の子供が当事者」、「クリックした記憶がない」、「クリックミス」、「無料と表記されていたのでクリックしたら高額の料金を請求された」、「少しは関心があってクリックしたが料金がべらぼうに高い」、「出会い系サイトを利用したら相手がサクラだった」、「アダルトサイトで互いの裸体画像を交換しあったら、猥褻罪に当たると脅された」、「アダルトサイトを利用したら外国のカード会社から高額の料金を請求された」といったトラブルに複雑化します。
 この種トラブルを解決するには、やはり「契約は成立しているのか」、「その契約は社会的に妥当な契約か」という二つの視点から検討する必要があります。
 契約は、「申込み」と「承諾」という相反する二つの意思表示が合致することによって成立します。相談事例の場合、「承諾」していないため契約そのものが存在しませんから、お金を払う必要はないことになります。
 しかし、この種トラブルでは、普通、そのようなまともな議論を避けます。「意思表示の有無」を「外形の有無」にすり替えて、「だから金を払え」と迫ってきます。例えば、「メールを開けた」という事実(記録として保存可能=外形)をもって「意思表示有り(=契約有り)」と強弁するのです。
 私たちは「李下に冠を正さず」という君子の国で生活しています。君子の国で他人に根拠なくお金を要求すれば刑事事件になりかねません。しかし、「あなたは私のスモモの樹の下で帽子を被り直していた。樹下にあなたの靴跡が残されている。だからあなたは私のスモモを食べたことになる。ついてはその代金を払ってもらおう」ということになれば、かなり乱暴ですが、主張できない話ではありません。このような論理で、業者は正当な債権者であるかのように相手を強迫するわけですが、この「靴跡」が「意思表示」に代わる「クリック痕=保存記録=外形」ということになるわけです。業者はことの真相にはお構いなしに、「靴跡があるからスモモを食べた」と決めつけてくるわけです。
 このようなトラブルに直面したときは、まず、「相手と連絡をとらない」、「不安なときは警察へ届ける」、「最後は裁判も厭わない」と割り切る必要があります。そのためにも、この種トラブルに対する対処法を理解しておく必要があります(3月号とかなり重複してくるかと思います)。

1. 業者との間に契約は成立しているのか。
 「申込み」あるいは「承諾」の意思表示をしていなければ、契約そのものが存在しませんからお金を払う必要はありません。
 クリックミス等の相手方の記録は、単なる「靴跡」でしかありません。「無料」と表示されていたのであれば、契約の有無にかかわらず、無料です。
 なお、未成年者が当事者の場合であっても、情報流出防止上、「取消権」は行使しない方が賢明です。

2. その契約は社会的に妥当な契約か。
 次のような契約は、社会的妥当性に欠ける契約(公序良俗に反する契約)として無効です(民法90条)。
 ア.犯罪にかかわる行為(犯罪を犯す対価としてお金を与える契約)、
 イ.人倫に反する行為(婚姻秩序・性道徳に反する契約)、
ウ.暴利行為・不公正な取引行為(他人の無思慮・窮迫に乗じて不当な利益を得る行為)など。
 出会い系サイトやアダルトサイトの場合、イやウに該当しているおそれがあります。
 なお、国際クレジットカード払いで利用していたら、外国カード加盟店を通して法外なアダルトサイトの利用料金が請求されてくる場合があります。このような場合、ここでの説明は省略しますが、カード会社に対して「チャージバック」という制度を活用して解決できるときがあります。また、「法の適用に関する通則法」という特殊な法律で解決を図っていくこともあります。
 いずれにしても、「とりあえずこの場をしのげれば」とか、「怖いから」とかいう理由で払うのは「論外」です。お金を払ってくれる人はその後も集中的に狙われますから注意が必要です。

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