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相談事例集
 

相談事例54: マルチ商法に潜むもの


 「人を紹介すれば儲かる」と知人に誘われ、車に乗せられて会場へ行った。着いたらすぐ説明もないままいきなり高額なフトン、化粧品、健康食品のクレジット契約書を書かされ(64万円)、年金は受給していないのに年金受給者であるかのように虚偽の内容を書かされた。その後知人を一人紹介し、14万円の報酬を受け取ったが、解約したい。  

(70歳代 女性)


 この契約は連鎖販売個人契約ですが、相談者に交付されたのはクレジット契約書のみで、特約店・代理店登録の契約書が交付されていなかったため、法定書面不交付により契約解除ができること、また、不実告知があるので消費者契約法の規定に基づいて取り消すことができることを伝えました。


 「友人からこんな話を持ち込まれたけど、これってマルチ商法じゃないんですか?」という質問が当センターによく寄せられます。
 今回の相談事例は典型的な連鎖販売取引(特定商取引法では、マルチ商法を含めてその仲間をこのような法令用語で規制しています。マルチ商法という名称が一番有名ですので、以下、「マルチ商法」で通します)ですが、この質問の裏には、「マルチ商法→ねずみ講→犯罪」という不安があることが推定されます。そこで今回は、「マルチ商法」と「ねずみ講」の関係について概略説明します。
 まず、「マルチ商法」ですが、説明される言葉の中に次の二つの種類の言葉が含まれていないか探してみてください。一つは、「儲かる」、「特典がある」、「紹介料が入る」、「マージンが入ってくる」、「手数料が入る」、「手数料の割り戻しがある」、「いいアルバイトがある」という類の経済的利益に関するものです。他の一つは、「これを買えば会員になれる」、「会員になれば商品が割安で買える」、「『加盟料』、『取引料』、『保証金』などが必要」という一切の経済的負担に関するものです。前者を「特定利益」、後者を「特定負担」といいます。相談事例でいえば、「人を紹介すれば儲かる(その結果としての14万円)」が特定利益であり、「高額なフトン、化粧品、健康食品のクレジット契約書(64万円)」が特定負担に当たります。
 「特定利益」と「特定負担」というこの二つの言葉を使ってマルチ商法を説明すると、【まだその組織に加入していない消費者に対して「入会すれば『特定利益』が得られるよ。ただし、『特定負担』がいるけどね」と言って勧誘し、勧誘された消費者が提供した『特定負担』を、勧誘者その他が『特定利益』として配分する商法】ということになります。
 この特定負担には、参加者が負うあらゆる金銭的な負担が含まれます。勧誘活動をするために必要な物品だけでなし、入会金、保証金、登録料、研修参加費用等金銭的な負担に必要であれば、これらの費用は「取引料」となり、特定負担に該当します。
 新たな加入者は、「特定負担」の回収と自らの「特定利益」を求めて、親兄弟、友人、知人、親戚、赤の他人などに対して勧誘活動を展開しますが、素人の悲しさ、様々な悲喜劇を引き起こすことになります。
 次に「ねずみ講」ですが、「会員が子会員をねずみ算式に加入させることにより、出資金以上の金品が得られると宣伝するシステム」のことです。法令では「無限連鎖講」といい、「無限連鎖講を開設すること、運営すること、加入すること、加入するよう勧誘すること、これらの行為を助長する行為をすること」のすべてが全面的に禁止されています。その理由は、 1) 終局において破綻すべき性質のものであるにもかかわらず、 2) いたずらに関係者の射幸心をあおり、 3) 加入者の相当部分の者に経済的な損失を与えるにいたる、というところにあります。
 しかし、この理由自体はマルチ商法にも共通しています。現に、かつて、宝石を販売するマルチ商法組織が、その実態はねずみ講であるとして有罪になった事件があります。
 「マルチ商法→ねずみ講→犯罪」という消費者の不安の図式は、現実に存在することをこの事件(判例)は証明しているのです。
 破綻の必然性という意味では、ねずみ講もマルチ商法も同じです。ただ、ねずみ講が全面的に禁止されているのに対して、マルチ商法はそうではないように一見見えます。しかし、実際にはマルチ商法についても実質禁止という趣旨で立法されていることにご注意ください。これは、ねずみ講がピラミッド型の単純な形態であるのに比べ、マルチ商法のシステムは多種多様であり、全面禁止とするには罪刑法定主義の観点から法理論上問題があるからにほかなりません。
 また、最近は、今回のような年金生活者や障害者年金、生活保護受給者がターゲットにされている例が増えています。
 インターネットでねずみ講に近いと推定されるものが増えています。主宰者が何と説明しようと、参加しない方が賢明です。

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