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相談事例集
 

相談事例49: 点検商法


 3ヶ月前、訪問販売の販売員に、「家回りのコンクリートにひび割れがあり、基礎や家が傾く」と説明され、1万6千円で補修契約をした。やがて床下から出てきた販売員は「基礎とか中を少し見たら割れてるのもあるし、ブロックでしてるところもあるので、どうにかしないといかんですね。地盤が傾いていて、家も傾いてますもんね」と言い、「会社で正式に査定すると71万円かかるが、現場査定だと54万円でいい」とのことだった。工法を尋ねたところ、「コンクリート密着補強材を基礎部分に1ミリ厚で塗布する」という説明がなされたが、「型枠を入れて工事をするのに1ミリ厚はおかしい」と迷いつつ、何となく契約してしまった。解約したい。

(50歳代 男性)


 契約書には、代金の支払方法及び役務の提供時期の記載がありませんでしたので、不備書面の交付によるクーリング・オフの主張と、セールストークの中で、消費者の適正価格の判断を狂わせる不実の告知がなされているのではないかと推定し、特定商取引法の取消権を定めた規定に基づいて取り消す旨の主張をするようアドバイスしたところ、事業者は全面解約に応じました。


 特定商取引法で規制されている六つの特定商取引の中に「訪問販売」という取引があります。「訪問販売」はその取引の特徴によって戸別に家庭を訪ねて販売する以外にも「SF商法」、「キャッチセールス」、「アンケート商法」、「アポイントメントセールス」、「デート商法」、「恋人商法」、「リフォーム商法」、「見本工事商法」、「点検商法」、「実験商法」、「展示会商法」、「ホームパーティ商法」、「体験談商法」、「講習会商法」、「当選商法」、「かたり商法」などと呼ばれる種々のタイプが派生していますが、解決するために用いる根拠法令はすべて「訪問販売」に関する規定です。つまり、これら○○商法というのは、その取引の特徴を捉えた一種のニックネームのようなものです。
 この相談の場合、販売員のセールストークから判断して「点検商法」と考えられます。 点検商法というのは、無料点検に来たといって来訪し、「シロアリの被害がある」、「工事をしないと危険」などと事実と異なることを言って消費者の不安感を煽り、新品や別の商品・サービスを契約させるものです。この相談の場合点検に来たとは言っていませんが、内容は同じです。「家回りのコンクリートにひび割れがあり、基礎や家が傾く」、「基礎とか中を少し見たら割れてるのもあるし、ブロックでしてるところもあるので、どうにかしないといかんですね。地盤が傾いていて、家も傾いてますもんね」とかなり相談者の不安を煽っています。
 特定商取引法が適用される六つの取引は、「通信販売」を除きすべて法定書面を交付することが事業者に義務付けられ、クーリング・オフの規定が定められていますが、消費者はその法定書面を事業者から交付されてから8日間(法定書面を受領した日から数えます。この初日のことを「起算日」といいます)は、無条件でクーリング・オフすることができます。仮に、起算日からすでに8日を経過している場合でも、その法定書面に記載すべき法定記載事項(事業者名、担当者名、商品名、種類、数量、販売価格、支払時期・方法、商品の引渡時期、クーリング・オフ、契約日)の一部が欠落していたり、虚偽の内容が記載されている書面が交付されているときは、クーリング・オフできるという裁判例もありますので、諦めずに相談してください。
 また、販売員は正式な見積もりもせず、「会社で正式に査定すると71万円かかるが、現場査定だと54万円でいい」という販売員の「二重価格」の提示は、商道徳上もあってはならないことと考えられます。
 何の契約を結んだのかよく分からないということがよくありますが、納得がいかないときは遠慮なくご相談ください。

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