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相談事例集
 

相談事例46: 連鎖販売取引


 半年前、知人から「仕事関係で知り合った人が営業マンを探しているんだけどご主人どう?話だけでも聞いてみない?」と誘われた。その人から、「人を紹介するだけで2万5千円の収入になる。その商品を使うと新陳代謝がよくなり、痩身効果がある。血液の循環がよくなるので脳梗塞にも効くし、母乳もよく出るようになる。赤ん坊もこれで音楽を聴かせると泣きやむ」などと説明され、夫の就職のためでもあると思い商品を購入したが、使用すると吐き気がし、赤ん坊も逆に泣き出してしまう。夫が就職し、自分は一人も紹介していないのに5万円が振り込まれていた。解約したい。

(20歳代 女性)


 この商法は特定商取引法で規制されている連鎖販売取引に当たりますが、事業者が交付した法定書面の記載内容に不備があること、事業者の説明内容に消費者契約法4条1項1号の不実の告知に該当する内容があることなどを根拠に契約の解除・取消しをアドバイスしました。事業者は5万円の返金を条件に解約に応じました。


 「『(あなたが)この商品を買って入会し、(あなたが)あなた以外の他の人を勧誘して入会させると、(あなたは)その他の人が支払ったお金の全部、又は一部をマージンとして受け取ることができます』などと説明して(あなたを)勧誘し、(あなたに)商品を購入させる類の商法」を連鎖販売取引(通称マルチ商法)といいます。この相談の場合、「あなた」には「相談者」が、「あなた以外の他の人」には、少し変則的ではありますが「相談者の夫」が該当していることになります。そして、入会するには商品の購入が義務付けられているわけですが(この相談では「痩身器具」の購入)、これを「特定負担」といい、もらうマージン(この相談では「5万円」)のことを「特定利益」といいます。この「特定利益」と「特定負担」という二つの言葉は、マルチ商法であるか否かを判断するときの重要なポイントになります。
 このマルチ商法の特徴は、「特定利益を容易に手にすることができる」点が強調され、「他の人を入会させること」の難しさが、勧誘する相手(今回の場合は相談者)に伝えられないようにするところにあります。その結果、勧誘された本人は、先輩たちから聞かされた成功例に意気高揚して入会するわけですが、やがて、他人を勧誘することの難しさを知り、解約を巡って組織との間にトラブルが生じることになります。この場合に、特定負担は高額ですから購入代金の支払いにクレジツトを組んだり消費者金融で賄っているようなときは、多重債務に追い込まれることも珍しくありません。
 しかし、マルチ商法の一番の問題は、新規に加入してくれる人の数が有限だということです。マルチ商法における加入者の利益は、主として新規加入者が支払う金銭から得られるものです。しかも、その利益は自分の下位の加入者が増えることによって相乗的に増えるようになっていますから、自分の投資資金を早期に回収し、より多くの利益を獲得しようとして加入者は新規加入者の勧誘に奔走することになります。
 しかし、新規勧誘の対象者には限りがあり、組織が大きくなるにつれてその勧誘は困難になっていきます。例えば、一人の加入者が二人を新規に加入させ、その二人がまたそれぞれ二人ずつ加入させていくと、27段階目には1億人を超えることになりますが、このようなことはまず不可能です。つまり、マルチ商法というのは、「破綻の必然性」を内包した商法なのです。
 したがって、マルチ組織への加入を勧誘する説明会では、「新規勧誘は簡単であり、多大な特定利益を容易に得ることができる」かのように説明されることが多いのですが、実際には新規に勧誘するということは非常に困難なのです。そのため、説明会では成功例が数多く紹介されますが、その組織の規模や会員数の実態、販売する商品の品質・性能、取引条件についての説明は不十分なものであったり、誇大すぎるケースということも少なくありません。
 平成16年11月11日から施行された改正特定商取引法では、種々の改正規定が新たに盛り込まれましたが、マルチ商法独自のものとして、新たに「中途解約・返品ルール」が整備され、「加入して1年を経過しない会員が退会するに際して、引渡しを受けてから90日を経過しない未使用の商品を返品し、適正な返金を受けることができる」こととされました。
 この世にうまい話はありません。契約をする際は十分に注意しましょう。

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